道尾秀介の新感覚ミステリー『きこえる』は、音声を活用した斬新な試みで話題となっています。
本作は短編ミステリー集で、QRコードを読み取って聞く音声が、物語の真相に迫る重要な鍵となります。
この記事では、あらすじや各話のネタバレ考察、文庫化情報、さらには物語の仕掛けについて解説します。
道尾ファンやミステリーファン必見の作品です!
この記事を読むとわかること:
- 『きこえる』のあらすじ
- 作品の考察とネタバレ
- ハリガネムシの謎について
- 文庫化の予定や作品の怖さの真相
あらすじ:音が導く真相
『きこえる』は、シンガーソングライターの残したデモテープや、生活音、秘密の会話など、日常に溶け込んだ「音」がミステリーを解き明かす5つの短編から構成されています。
- 聞こえる:亡くなったシンガーソングライター夕紀乃のデモテープが不気味な真実を示す。
- にんげん玉:資産運用セミナーに参加したケンジが抱える過去の秘密が音で暴かれる。
- セミ:少年時代の友情と閉塞感が重なり、2回目の音声で真実が浮かび上がる。
- ハリガネムシ:盗聴器から聞こえてくる音が示すのは、恐ろしい真相。
- 死者の耳:タワーマンションで不可思議な死を遂げた男性。最後の音声がすべてを覆す。
考察:仕掛けとトリックの巧みさ
『きこえる』の最大の特徴は、音声と文章が絡み合うことで、真相が次第に明らかになる点です。
特に「にんげん玉」や「ハリガネムシ」では、音声によって読者が騙されていたことが発覚するという驚きの仕掛けが施されています。
音声は物語の中核をなすため、聞き逃すと物語の意味が見えてこない場合もあります。
特に「ハリガネムシ」のラスト数秒の音声は、一気に物語を反転させる重要な要素です。
ネタバレ解説:ラストで明かされる真実
作品の各話には驚愕のラストが用意されています。
ここでは、特に印象的な「ハリガネムシ」と「死者の耳」のネタバレを簡単に解説します。
ハリガネムシの真相
主人公は盗聴器を仕掛け、女子高生の部屋の音声を聞いていたが、最後に聞こえてきたのは想像を絶する事実。
彼女の声が盗聴器に向かって語りかけていた瞬間、主人公が完全に騙されていたことがわかります。
死者の耳
ラストの音声再生で明かされるのは、真犯人の存在。
視覚では伝えきれなかった部分を音が補い、驚きの結末が訪れます。動画も絡むため、読者は目と耳の両方で物語の真相を追うことに。
文庫版とホラー要素
本作はまだ文庫化されていませんが、文庫化の際には音声がどのように再現されるのか注目されています。
また、ホラー要素も強く、特に音声の生々しさが読者に恐怖を与えます。
「ハリガネムシ」の回では、音声だけでなくそのテーマ自体が不気味な雰囲気を醸し出しており、読者の背筋を凍らせる展開が待っています。
まとめ:『きこえる』は新たな読書体験
道尾秀介が挑む新感覚ミステリー『きこえる』は、音声と文字が融合した新たな読書体験です。
驚きのトリックと謎解き要素が満載で、最後の一行まで見逃せません。
特に「にんげん玉」と「ハリガネムシ」は、音声がなければ解けない重要な謎を含んでおり、再読する価値がある作品です。
箇条書きまとめ:
- 『きこえる』は音声と文字を融合させた体験型ミステリー。
- 5つの短編がそれぞれ異なる謎を描く。
- 「ハリガネムシ」や「死者の耳」は、音声が重要なトリック。
- 文庫化の際には、音声再生がどう再現されるかが鍵。
- 怖さはホラーではなく、音声による不気味さが中心。