小説を1000冊読んだ齋藤明里さんによる文藝賞の解説と『文藝賞おすすめ5選』の紹介です。
文藝賞とは、1962年に創設され、河出書房新社で刊行している文芸誌『文藝』で載っている文学賞のこと。
「新人の登竜門」と言われ、どこにも発表していない作品が募集されます。そのため、文藝賞を取ってから作家としての人生をスタートされる方が多いんです。
純文学の方が多いと思われがちだが、応募要項には「既成の枠にとらわれない、衝撃的な作品を」とあるので、どんな作品でも基本的には応募ができます。
文藝賞のおすすめ5選
今回紹介する著者の方は後々、芥川賞も受賞されています♪
インストール
著者 | 出版社 |
綿矢りさ | 河出書房新社 |
あらすじ
女子高生と小学生が風俗チャットでひと儲け! 押入れのコンピューターから二人が覗いた<オトナの世界>とは!? 田中康夫、山田詠美ら話題の作家を生んできた文藝賞から、ついに最年少17歳・女子高生作家が誕生。全選考委員絶賛・新聞、TV等各マスコミ話題沸騰の文藝賞受賞作。
購入方法
黒冷水
著者 | 出版社 |
羽田圭介 | 河出書房新社 |
高校生の時に受賞されています♪
あらすじ
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。
購入方法
青が破れる
著者 | 出版社 |
町屋良平 | 河出書房新社 |
あらすじ
ボクサー志望のおれは、友達のハルオから「もう長くない」という彼女・とう子の見舞いへひとりで行ってくれと頼まれる。ジムでは才能あるボクサー・梅生とのスパーを重ねる日々。とう子との距離が縮まる一方で、夫子のいる恋人・夏澄とは徐々にすれ違ってゆくが…。第53回文藝賞受賞の表題作に加え二編の短篇、マキヒロチ氏によるマンガ「青が破れる」、そして尾崎世界観氏との対談を収録。
購入方法
かか
著者 | 出版社 |
宇佐見りん | 河出書房新社 |
文藝賞というものを知ったきっかけ♪
あらすじ
19歳の浪人生うーちゃんは、大好きな母親=かかのことで切実に悩んでいる。かかは離婚を機に徐々に心を病み、酒を飲んでは暴れることを繰り返すようになった。鍵をかけたちいさなSNSの空間だけが、うーちゃんの心をなぐさめる。脆い母、身勝手な父、女性に生まれたこと、血縁で繋がる家族という単位…自分を縛るすべてが恨めしく、縛られる自分が何より歯がゆいうーちゃん。彼女はある無謀な祈りを抱え、熊野へと旅立つ―。未開の感性が生み出す、勢いと魅力溢れる語り。痛切な愛と自立を描き切った、20歳のデビュー小説。第56回文藝賞受賞作。
購入方法
『かか』はAudible(Amazonの聞く読書)の聞き放題の対象になっています。
改良
著者 | 出版社 |
遠野遥 | 河出書房新社 |
あらすじ
メイクやコーディネイト、女性らしい仕草の研究…、美しくなるために努力する大学生の私は、コールセンターのバイトで稼いだ金を美容とデリヘルに費やしていた。やがて私は他人に自分の女装した姿を見てほしいと思うようになる。美しさを他人に認められたい―唯一抱いたその望みが、性をめぐる理不尽な暴力とともに、絶望の頂へと私を導いてゆく。第56回文藝賞受賞作。