東野圭吾の**『どちらかが彼女を殺した』**は、加賀恭一郎シリーズの第三作目にあたるミステリー作品です。
本作は、主人公の兄が最愛の妹の死を巡って真相を追う物語。
最大の特徴は、作中で明確に犯人が明かされないという点にあります。
読者自身が推理し、真実にたどり着くことが求められる異色の作品です。
この記事では、『どちらかが彼女を殺した』のあらすじや犯人の推理、袋綴じの解説、映画化の可能性などを詳しく考察していきます。
この記事を読むとわかること：
東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』のあらすじ
和泉康正は、唯一の肉親である妹・和泉園子を溺愛していた。
しかし、ある日、園子が自室で死亡しているのを発見する。
一見、自殺のように見えたが、和泉康正はそれが偽装されたものだと確信。
復讐を誓い、犯人を突き止めるため独自に捜査を開始する。
調査の結果、犯人は2人に絞られた。
1人は、妹の親友である弓場佳世子。
もう1人は、かつての恋人である佃潤一。
康正が真実に迫る中、捜査の手を伸ばすのが加賀恭一郎刑事。
果たして、妹を殺したのはどちらなのか？
どちらかが彼女を殺した｜犯人の動機と真相
本作最大の特徴は、「作中で犯人が明かされない*点にあります。
では、どちらが犯人なのか？
物語の鍵となるのは「利き手」です。
和泉園子は左利きだったが、犯行現場に残された証拠の多くが右利きの人物によるものだった。
この事実から、多くの読者は佃潤一が犯人であると推測。
また、園子は生前、佳世子の過去を暴露しようとしており、これが殺害の動機になったとも考えられます。
しかし、袋綴じの解説を読まなければ、明確な答えは出ません。
読者自身が細かい描写を読み解き、真実にたどり着くという構成になっています。
どちらかが彼女を殺した｜映画化やドラマ化の可能性
本作は非常に映像化が難しい作品とされています。
理由は「作中で犯人が明かされない」こと。
通常のミステリードラマでは、最終的に真犯人が判明することが求められます。
しかし、『どちらかが彼女を殺した』では、結末が曖昧であるため、映像化には工夫が必要です。
現時点で映画やドラマ化の予定はありませんが、ファンの間では「映像化するならどのような結末になるのか？」という議論が続いています。
どちらかが彼女を殺したの続編はある？
本作の直接的な続編はありません。
しかし、加賀恭一郎シリーズはその後も続いており、1999年には『私が彼を殺した』が発表されています。
『私が彼を殺した』もまた、本作と同様に犯人が明かされない形式を取っており、読者の推理力が試される内容となっています。
もし『どちらかが彼女を殺した』を楽しんだのであれば、次に読むべき作品として『私が彼を殺した』をおすすめします。
まとめ
以上、『どちらかが彼女を殺した』の詳細な解説でした。
