エラリー・クイーンの作品は、アメリカを代表するミステリー小説として多くのファンに愛されてきました。
特に代表作である「国名シリーズ」「悲劇シリーズ」「ライツヴィルシリーズ」などは、どれも高度なトリックと巧妙なプロットが特徴です。
しかし、作品が多いため、どれから読むべきか迷う方も少なくありません。
この記事では、エラリー・クイーンの読む順番について詳しく解説します。
初心者におすすめの作品や新訳版の情報も紹介していきますので、エラリー・クイーンに興味を持った方はぜひ参考にしてください♪
エラリー・クイーンの代表シリーズの読む順番
エラリー・クイーンの作品は、シリーズごとに特徴があり、それぞれ異なる魅力を持っています。
ここでは、主なシリーズごとの読む順番について解説します。
国名シリーズの読む順番
国名シリーズは、各作品のタイトルに国名が含まれていることからその名が付けられました。
このシリーズは、エラリー・クイーンが名探偵として初登場するシリーズでもあります。
刊行順で読むのが一般的であり、物語の連続性を楽しめるのがポイントです。
国名シリーズの順番:
- 『ローマ帽子の秘密』
- 『フランス白粉の秘密』
- 『オランダ靴の秘密』
- 『ギリシャ棺の秘密』
- 『エジプト十字架の秘密』
- 『アメリカ銃の秘密』
- 『シャム双子の秘密』
- 『チャイナ橙の謎』
- 『スペイン岬の秘密』
『フランス白粉の謎』
— ❅りぃ❅ (@book_0805) November 15, 2024
老舗デパートを舞台にした国名シリーズ第二弾。犯人を絞り込む過程が前作同様にとても面白い。推理を披露する場面は関係者を一堂に集めるスタイルで、最後の一行まで緊張感が途切れることなく楽しめた。クラシカルな雰囲気を味わえる小道具と、その巧みな使い方も印象的。#読了 pic.twitter.com/Qm61vxSuC6
悲劇シリーズの読む順番
悲劇シリーズは、「バーナビー・ロス」というペンネームで発表されたシリーズで、耳の聞こえない名探偵ドルリー・レーンが登場します。
このシリーズは全4作品で構成されており、すべて順番に読むことをおすすめします。
悲劇シリーズの順番:
- 『Xの悲劇』
- 『Yの悲劇』
- 『Zの悲劇』
- 『レーン最後の事件』
ライツヴィルシリーズの読む順番
ライツヴィルシリーズは、架空の町「ライツヴィル」を舞台に、さまざまな人間模様や心理描写が描かれたシリーズです。
物語は前作と微妙に関連するため、順番通りに読むと物語の背景が理解しやすくなります。
ライツヴィルシリーズの順番:
- 『災厄の町』
- 『フォックス家の殺人』
- 『十日間の不思議』
- 『ダブル・ダブル』
- 『帝王死す』
- 『最後の女』
エラリー・クイーン作品は読みにくい?|初心者におすすめの作品
エラリー・クイーンの作品は論理的なトリックやパズル要素が多く、やや難解に感じられることもあります。
そのため、初心者には読みやすい作品を選ぶのがポイントです。
初心者におすすめのエラリー・クイーン作品
初心者には、シリーズの中でも比較的読みやすくて短めの作品がおすすめです。
特に「国名シリーズ」の中では『オランダ靴の秘密』や『フランス白粉の秘密』が初心者向けです。
おすすめ作品:
- 『オランダ靴の秘密』:医療ミステリーとしての要素もあり、手がかりが丁寧に描かれているため推理しやすい作品です。
- 『フランス白粉の秘密』:細かな手がかりの収集と推理の過程が楽しく、エラリー・クイーンの推理力を堪能できます。
読みにくさを克服するポイント
エラリー・クイーンの作品は論理的なパズル要素が多いため、メモを取りながら読むとストーリーやトリックが理解しやすくなります。
また、各章ごとに提示される手がかりに注意を払い、エラリーの推理の過程をじっくりと追いかけてみてください。
エラリー・クイーンの悲劇シリーズ|独自の魅力と読む順番
悲劇シリーズは、エラリー・クイーンの別名義で書かれたシリーズで、主人公のドルリー・レーンが登場します。
本シリーズは全4作で完結しているため、ミステリー初心者から上級者まで幅広く楽しめる構成となっています。
悲劇シリーズの特徴
ドルリー・レーンは、聴覚に障害を抱えつつも高度な推理力を発揮するキャラクターで、エラリー・クイーンとは異なる探偵像が描かれています。
心理的要素が強く、犯人を追い詰めるまでの過程も緊張感にあふれているのが魅力です。
エラリー・クイーンの最高傑作|ギリシャ棺の秘密の魅力
エラリー・クイーンの中でも特に評価が高く、最高傑作と称されることの多い『ギリシャ棺の秘密』。
国名シリーズの中でも複雑なトリックと綿密なプロットで、エラリー・クイーンファンなら必読の一作です。
『ギリシャ棺の秘密』は、推理小説における「伏線の妙」を楽しめる作品であり、エラリーがいかにして論理を駆使して犯人を追い詰めていくかが緻密に描かれています。
一度読んだだけでは理解しきれない深さがあり、再読すると新たな発見があるのも魅力です。
翻訳の違いで読みやすさが変わる|おすすめの翻訳と新訳版
エラリー・クイーンの作品は翻訳の違いによって読みやすさが大きく異なることもあります。
ここでは、代表的な翻訳者と新訳版のおすすめポイントを紹介します。
おすすめの翻訳者と出版社
- 越前敏弥訳(角川文庫・ハヤカワ文庫):越前訳は現代的な言葉遣いが特徴で、文章がスムーズに読めます。特に初心者にはこちらがおすすめです。
- 中村有希訳(創元推理文庫):中村訳は原文に忠実で、古風な表現が好きな方にはぴったりです。
新訳版のおすすめ
新訳版では、特に角川文庫の越前敏弥訳やハヤカワ文庫の中村有希訳が人気です。
新訳は原作のニュアンスを忠実に反映しつつも、現代的な表現で読みやすく仕上げられているため、従来の訳に比べて初心者にもわかりやすいです。
まとめ
エラリー・クイーンの作品を楽しむためには、シリーズごとに読む順番やおすすめの翻訳を参考にしながら進めていくことが重要です。
以下にポイントをまとめましたので、参考にしてください。
エラリー・クイーンの作品を通して、推理小説の奥深さをぜひ味わってみてください。